高齢者住宅に必要な要素とは

高齢者に必要な「バリアフリー」とは何か

高齢者住宅の基本は「バリアフリー」です。「バリア」とは「障害」のことです。なんの障害なのかというと、この場合は高齢者の方が日常生活をする際の物理的な「障害」です。たとえば膝が悪い高齢者の方に急な階段はきついものです。さらには車椅子の方であれば部屋の仕切りの少しの段差も脅威なのです。

そのように高齢者やハンディキャップを持つ方に対して親切な設計であることを、「バリアフリー」といいます。公共施設などでよく見られるのは、階段のよこに「スロープ」がある場合です。これは足をあまり上げられなかったり、車椅子の方に対する配慮で、スロープを使えば階段よりも楽に昇り降りが可能になるというわけです。ほんの少しの配慮ですが、これが高齢者の方やハンディキャップを持つ方にとってはとても助かる配慮なのです。

高齢者住宅は「普段暮らす家」です。高齢者の方はその住宅を生活の基盤として活動します。極論をいえば、階段はあるものの同時にエレベーターも設置されていたり、部屋と部屋の間にまったく段差がなかったりするような設計であればバリアフリーになります。さらには、部屋の各所にもたれかかることができるための「手すり」を配し、電灯のスイッチや家具類、給湯類のスイッチも「見やすい」ように作ってあることが望ましいです。

高齢者の方の身体の衰えは、「足腰が弱る」ということだけではありません。同時に「目」と「耳」も悪くなるのです。耳が遠くなれば来訪者が来た際の「呼び鈴」が聴こえづらくなったりするので、同時に「光」で知らせたり、目が悪くなると壁のスイッチ類が見えづらいですから、わかりやすい表示と共にスイッチを大きくするなどの配慮です。

高齢者住宅に必要なことは、高齢者の症状にあわせてそれを「乗り越えられる」ような設計です。また、高齢者が単身で頑張るというのにも「限度」がありますから、「介護」する方が使いやすいような設計も大切です。例えば「入浴」を補助する場合、ある程度広いバスルームでなければ補助ができません。移動の際に身体を支えて付き添う場合も、廊下や部屋が狭かったりすれば満足に補助できないのです。

そのような「実際のシーン」に合わせた設計が一番大切です。「お年寄りは花が好きだろうから花壇をつくった」ということでは、それは「バリアフリー」とはいいません。親切でもなんでもありません。私たちが普段の生活で行なっていることが、高齢者にとってはとても困難なことになってしまうのです。「やかんでお湯を沸かす」だけでも一苦労なのです。そのようなことを理解し、さまざまなところに障壁があるということをわかった上で、「バリアフリー」を考えていくことがなにより大切です。

そこには設計者のエゴであったり、勝手で意味な発明などは不要です。どんなに便利な機能よりも、日常生活において「当たり前のことを当たり前のようにこなす」ということが何よりも望まれていることです。それを実現するための「バリアフリー」であって、設計者の芸術を競うためのものではありません。「便利」な機能が必ずしも高齢者に対して親切であるかどうかはわからないのです。それよりも、高齢者の身体的衰えによって考えられる障害を想定したいものです。

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